版画家「清宮質文 せいみやなおぶみSeimiya Naobumi」最近のNHK日曜美術館を見てーー魂に語りかけようとした画家「清宮質文」ー心象風景画像の清宮質文独特の版画-美術エッセイ
この六月二十一日にNHKの日曜美術館で放送された版画家、「清宮質文 せいみやなおぶみ」を見て、懸命に人の心に語りかけようとして一生を捧げた画家の気魂を感じさせられました。
ほとんどアトリエで仕事に打ち込んだまま過ごした画家の、その木版で心を伝えることにもどかしさを感じ、悪戦苦闘してきた人生が番組全体からよく伝わってきました。
清宮自身は、それを「お化け」という自分の言葉で語っていたそうですが、それが、芸術家として人の心に語りかけようとする言葉だと、はっきり実感していた画家だったのだと思いました。
さてそれを自覚したところで、表現によって伝えることの困難と恐さともどかしさを、より身に染みて悟っていた画家だったことも伝わってきます。
細い道の果ての薄墨色の空で、謙虚な閃きを放つ花火の作品は胸に響いてきます。もどかしげな分、より深く伝わってくるのかもしれません。
過剰を押さえた木版の表現には、余計なものをそぎ落として、その思いを伝えようとする心の言葉が滲み出しています。そして、命を終える前日まで創作に打ち込んだ生き様も、その思いを何倍にもして語りかけてきます。
| 固定リンク
« 遠野への憧れの旅ー癒しの力をたっぷり与えられる癒し系の旅かな?ー民話と心の故郷、緑と水の豊かな自然の中で、絵画の世界を思ってみたいです | トップページ | 遠野を旅して感じた生活と文化の厚みー柳田国男の「遠野物語」百周年を来年に控えたことや、宮沢賢治文学のみならず、「千葉家の曲がり屋」など長い遠野生活の人々の生活の跡に感じた強い親密の感情からまず「Toono Monogatari」Yanagida Kunio »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 英 一蝶(はなぶさ いっちょう Hanabusa Ichou)--島流しの刑にも耐え、元禄の江戸に返り咲いた吉原の粋人画家・宝井其角とも親交のあった俳人・文人画家(2009.10.22)
- 鴻池朋子展(こうのいけ ともこ Kounoike Tomoko)に行ってきました・神話と想像の世界に目一杯羽ばたく、ダンテの神曲を髣髴させる大スペクタクル・「インタートラベラー神話と遊ぶ人」・東京オペラシティアートギャラリー(2009.08.25)
- 鴻池朋子展(こうのいけ ともこ Kounoike Tomoko)に行ってきました・神話と想像の世界に目一杯羽ばたく、ダンテの神曲を髣髴させる大スペクタクル・「インタートラベラー神話と遊ぶ人」・東京オペラシティアートギャラリー(2009.08.25)
- 美術作家「やなぎ みわ」Yanagi Miwa氏のベネチア・ビエンナーレ作品の放送を見てーNHK日曜美術館ー美術エッセイ(2009.07.27)
- 曾我蕭白(Soga Shouhaku)ーー心のうちをさらけ出し「狂」を原点として描ききった画家(2009.04.07)

コメント
こんにちは
読んでいて、短歌の世界にも通じるものを感じました。特に
「表現によって伝えることの困難と恐さともどかしさ」
ですね。
短歌も創作であり、表現方法の1つだと思うからです。
それと、
「余計なものをそぎ落として、その思いを伝えようとする」
も似たものを感じます。
短歌は31文字までですので、
表現したい事を凝縮するか、
表現したい内容の一部を切り取るか、なのです。
その作業は楽しくもあり、苦しくもあり、短歌に夢中になる1つの要素となっています。
でも、芸術家の作品は苦悶までも美しく昇華しているような気がします。
YUJINさんも大変なのではないですか?
投稿: 由良 | 2009年6月27日 (土) 09時24分