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「クリムト 黄金にきらめくエロス」-エロスと死の画家、グスタフ・クリムト(NHK日曜美術館 ゲスト、アートディレクター結城昌子氏)美術エッセイ

「クリムト 黄金にきらめくエロス」-エロスと死の画家、グスタフ・クリムト(NHK日曜美術館 ゲスト、アートディレクター結城昌子氏)クリムトの幻想絵画

クリムトの参考書籍

 少し日にちは経ちましたが、NHK日曜美術館で放送していたクリムトのことについて、書いてみたいと思っていました。

 世紀末ウィーンを代表するクリムトには、以前から深い関心を抱いていました。フロイトの精神分析の強い影響を受け、性、エロスの大胆な表現へと才能を開花させた画家の作品群は、当然のこと、当初社会からの強い抵抗を受け、発表を禁じられたものも多くありました。

 しかし、今の時代になってみると、「接吻」、「ダナエ」、「水蛇」などの一連の作品は、美術史上に華やかな存在感を際立たせています。

 男女の抱擁の図、そしてとりわけ女性の露わで大胆な表現は、驚きを越えて人の心に親密な安らぎの情景としてすでに深く住み着いているものと思います。とくに世紀末の、恍惚となったまま過ごしたいと欲し、そのまま死に通じるのも厭わないような潜在的願望と、現代の捉えどころのない時代意識と響き合うものがあるのかもしれません。

 実際、晩年の作品「死と生」には、きらびやかなエロスから到達した境地も窺えます。この作には、従来の黄金の背景も塗りつぶされています。

 クリムトといえば、様々な手法を凝らした黄金の背景がまず浮かぶほどです。元々金細工師の家に生まれたこともさることながら、ビザンチン美術の神の象徴としての金や、日本(ジャポニスム)の金屏風などの影響を大変強く受けたようです。

 尾形光琳の「紅白梅図屏風」の構図の影響さえ受けているという指摘もありました。日本、ジャポニスムの構図の中にヨーロッパの諸問題を描いたのだという視点にも、興味深いものがありました。

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