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カラヴァッジオ(カラヴァッジョ)の創造の秘密に応える本・「カラヴァッジォ 灼熱の生涯」デズモンド・スアード 石鍋真澄・石鍋真理子訳 白水社 「暴力と芸術 ヒトラー、ダリ、カラヴァッジォの生涯」勅使河原純 フィルムアート社 

カラヴァッジオ(カラヴァッジョ)の創造の秘密に応える本・「カラヴァッジォ 灼熱の生涯」デズモンド・スアード 石鍋真澄・石鍋真理子訳 白水社 「暴力と芸術 ヒトラー、ダリ、カラヴァッジォの生涯」勅使河原純 フィルムアート社

 カラヴァッジョの天才的な作品と、そのあまりにも無軌道で荒くれた生き方とのギャップに衝撃を受け、そこに焦点を当てた本を探してみました。彼の創造の深い秘密も、その中に含まれているはずです。

「暴力と芸術 ヒトラー、ダリ、カラヴァッジォの生涯」勅使河原純 フィルムアート社

 この書は、その疑問と深い関心に、真っ向から向き合ったものです。狼藉三昧で、数件の殺人事件まで起こした画家が、目をみはる才能を発揮し、教会の聖堂の絵まで手がけたというのは、現代の感覚からはかなり理解に苦しむことです。しかしこの書からは、当時のイタリアの厚いキリスト教階級社会における軋轢から、暴力、殺人、残酷な処刑、一方で宗教的な赦免が日常的に行われていたおどろしい空気が直に伝わってきます。あまりの凄まじさに、目を覆わんばかりといってもいいくらいです。そのような社会でけんかと決闘に明け暮れ、内に秘めた凶暴性の救いとはけ口を絵の制作に込めた画家の内面の激しさも自ずと浮かび上がってきます。

 カラヴァッジオの作品に見られる鋭さと惨さ、瑞々しさなど相対する感性の氾濫と、さらに画家自身の生き様の不可思議に引かれたときには必読の書だと思いました。

(創造性の軌跡、芸術家の創造の神秘)

「カラヴァッジォ 灼熱の生涯」デズモンド・スアード 石鍋真澄・石鍋真理子訳 白水社

 この書は、史実に忠実に、カラヴァッジオの生涯を描いています。より精密に、深く画家の生涯を歴史や時代背景、人間関係から探ろうとするときには不可欠の書だと思います。モノクロのものも多いですが、挿入された作品の写真の多さも圧巻です。 

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