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フェルメールの「地理学者」を見て:2011年、渋谷:絵画の見方・鑑賞の方法

フェルメール「地理学者」とオランダ・フランドル絵画展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

Vermer "Geographer" 2011年 渋谷

 この展覧会を見たのは、大地震の直前でした。ある種の予言的なものを直感していたのを思い出し、感慨に驚きも加わりました。

画面の中には17世紀の新興国の繁栄を象徴する地球儀、地図、コンパスと定規、デルフト焼きタイルとゴブラン織りなどが緻密に描かれ、その中央に当時の知者の象徴として地理学者が描かれています。

彼は光が射す遠い海の彼方の世界に思いを馳せているようです。頭上の地球儀に、全世界の覇者の豊かさが表れています。彼の想像力は異国の地をめぐり、様々な情景を浮かび上がらせているに違いありません。

しかし、手放しで大航海時代の繁栄を謳っているようにも見えません。微かに憂いを帯びた表情には、豊かさの中に身を置いた孤独、さらには壊れ易い未来の哀しさを予感した小さな戦きさえ感じさせます。明るい光を受けた顔と胸とは対照的に、深い影に沈んだ背がそのことを物語っています。

地理学者の鋭い面立ちと眼差しが、今回の大震災の悲劇までをも見据えていたような気がしてならない今日この頃です。

Photo

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