イサム・ノグチ庭園美術館:香川県木田郡牟礼町牟礼・美術館巡り

イサム・ノグチ庭園美術館

 直島の地中美術館についてもご紹介しましたが、同じ旅路で、イサム・ノグチ庭園美術館にも深い感銘を覚えました。

イサム・ノグチの参考書籍

 イサム・ノグチといえば、主に石の彫刻家として著名ですが、いまひとつ理解できずにいました。この制作現場でもある美術館を訪れて、その土地と空気と解け合った絶妙な感覚の調和から、イサム・ノグチの感性に了解が深く進んだような気がしました。

 高松郊外の海と山に臨んだ土地の空気、辺りに流れる時間の感覚、土の感触はそうめったにはありえない調和をなしているようにも感じられます。イサム・ノグチは、石のオブジェの制作に、鋭い感覚の触角によって探り当てたような気さえします。何よりも、イサム・ノグチ自身が厳選して、丸亀の豪商の木造家屋を解体してこの地に再建して住処としたり、制作の木造家屋も、酒造りのそれをいったん解体して運んだところにもそれを見て取れます。

 木造家屋を通り抜ける風の塩梅、深い陰翳の織り成す室内に淡く点る和紙の「あかり」、人の呼吸が宿った柱の重厚さ、板床の光り具合、すべてが主によって精密に選ばれ、さりげないながら厳密に構成されているのを感じました。それは、「あかりの彫刻」でも著名なイサム・ノグチの集大成のようにも思われました。

 この地に立って、芸術家の魂が、すっと胸に入ってきたような気がしました。

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(写真は、一部イサムノグチ庭園美術館のパンフレットより)

 

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直島Naoshima 地中美術館 安藤忠雄(Ando Tadao) ベネッセハウス 草間弥生等の芸術家・クロード・モネ室 ジェームズ・タレル室 ウォルター・デ・マリア室 睡蓮と水面の絵 見えない建築

幻想画家の建築探訪ーー直島 地中美術館 安藤忠雄 ベネッセハウス Musee sous terrain a Naosima(安藤忠雄設計)

 最近、友人に直島の地中美術館について紹介する機会がありましたので、懐かしさも含めて書きたいと思います。

 初めて訪れたのは、もう三年余り前になりますでしょうか。安藤忠雄氏設計の評判の美術館とあって、高松港を出港するときから楽しみが膨らみました。

 ベネッセハウスの現代建築と美術の展示を見た後、静かな瀬戸内海の湾を望みながら地中美術館へ向かいました。途中の海岸も、さりげなく彫刻作品の展示場になっているのが直島ならではです。

 さて地中美術館ですが、名前のとおり、地中の美術館ですから、外観はほんの一部を望むことができるだけです。(内部は写 真厳禁で、掲載できないのが残念です)

一歩踏み込むと、コンクリート打ちっぱなしの暗い廊下や、傾いだ通路に、迷路か秘密のトーチカに潜入したような気分にさせられます。

 クロード・モネ室:靴から柔らかなスリッパに履き代えさせられます。そのわけがまもなくわかりました。天井の隙間から射し込む薄暗い外光の部屋は、滑らかな大理石の床で、音もなく水面をすべるように歩けるのです。四囲の壁に展示されたモネの絵を、睡蓮の浮遊の感覚になって、こんなふうに鑑賞したのは初めてでした。

 ジェームズ・タレル室:薄暗いコンクリートの通路を歩き、次に入った部屋には、海中を想わせるブルーのスクリーンがありました。たしかにスクリーンのようではありますが、何やら淡い靄を見ているような感覚にも引き込まれます。そのスクリーンの前に上がってよいと係員に促されます。さて、その幕に近づいてみると、皮膜は消え、青い霧のような光に吸い込まれます。とっくに幕を通り越して、奥の空間に紛れ込んでしまっています。そこは、光で作られた霧の世界なのでした。

 ウォルター・デ・マリア室:コンクリートの階段の上に、漆黒の光る球体の置かれた部屋。

現代的な教会の祭壇のような印象も受けます。珍しい美術館の探検を、ほっと癒される部屋でもあります。階段に腰掛けてぼんやり時を過ごしている旅行者も何人かいました。

 さりげなくコンクリート壁に囲まれただけの空間もあって、そこの天井は四角く抜けていて、空をそのまま仰ぐことができます。しかし、空とも思われず、建築の一部として描かれた壁面のように見えてくるのが妙でした。

 瀬戸内海を眺望する美術館のレストラン:私が行ったときは空いていて、他に三人外人の旅行者がいただけでした。彼らがフランス語で話し始めたので、一緒に会話に加わりました。一組のカップルは、新婚旅行のようで、親しくなって、それから京都まで半日旅をともにしました。夫のほうは、趣味でかなり熱心に写真に凝っているようで、妻の方は、将来美しい橋を設計するのを夢見る建築家でした。そういう人が、わざわざ新婚旅行に選ぶような場所なのだとも思いました。

 彼らは、直島に点在する民家を改築した美術館にも詳しかったですが、私は残念ながら訪れる時間はありませんでした。

 込み合う休日だと、せっかくの空間を楽しむ美術館の趣きも半減してしまいますから、ゆったり島を回れる穴場の日時がお勧めです

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(覚書:幻想画家ユージンの直島、地中美術館探訪。見えない建築、地下の迷路のような回廊、不思議な空間、幻想的な異空間冒険の旅です。建築と空間芸術、アートの融合、ハイブリッドの空間体験。環境を守る建築。直島・地中美術館の写真。クロード・モネの睡蓮を水面を一緒に滑るように大理石の床を歩いて見る体験)

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