H5N1

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 インフルエンザワクチンの季節を迎え、クリニックの仕事も
てんてこ舞いだった。日曜日、心身ともに疲れ切った頭をシャ
ッフルするのにフランス語のレッスンに向かう。きょうも温厚
なフランス青年が迎えてくれる。
 話題の中心は、将来猛威を振るうであろうH5N1型鳥インフル
エンザ。ぼく自身、このインフルエンザへの脅威が地震や原発
事故への不安に勝っている。
 野鳥の間ではすでにパンデミックに陥っているそうで、いつ
鳥ー人感染を起こしてもおかしくはない状態。実際、中近東、
アフリカ、アジアなどでは発生している。
 高度医療を施しても、六割から九割の死亡率は驚くべきだ。
脳も含めて多臓器を破壊するこのウィルスが大流行となれば、
感染したらほとんど手の施し様もなくなるだろう。かのエゴン
・シーレの命を奪ったスペイン風邪の比ではない被害が世界中
で推測されている。
 このウィルスの脅威から身を守るにはどうすればいいか? 
結局のところ、周囲からは隔絶して八週間ほど閉じこもるしか
手がないとのこと。
 フランス語には興味深い成句があって、検疫のために隔離す
るというのを、etre(mettre) en quarantaine というそう
な。直訳で四十日置くということだが、経験的に、昔の人も、
そうやって身を守ってきたようだ

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iPS細胞と倫理の壁:les cellules souches et ethique

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 今回のフランス語のレッスンは、iPS細胞についての議論だった。フランス
から来日したばかりの先生は、まだテレビも購入していないので、山中教授が
ノーベル賞を受賞したことも知らなかった。それでむしろ好奇心を誘い、話は
盛り上がった。
 iPS細胞は、フランス語ではles cellules souchesというのだそうだ。
soucheというのは、切り株とか起源という意味で、なるほどと思った。
 十年後には、医学、薬学の教科書は、この革命的な発見によって、かなりの
部分書き換えられているだろう。
 数々の可能性に、フランスの好青年は目を輝かせたが、一つ大きく溜め息を
吐いた。キリスト教信者の多い保守的な欧米では、この発見には、たとえ治療
のためとはいえ、相当に高い倫理の壁が立ちはだかるだろうというのだ。
 大競争になっているとはいえ、意外と欧米から成果が聞こえてこないのは、
そのためか? 手作りのような実験室で、今時、ほとんど独走態勢で大発見が
成された一因もその辺りにあったか? いずれにしても、日本には掛け替えの
無い機会が訪れていることには間違いない。
 話はさらにロボットや人工知能に及び、次回はサイボーグを中心に議論する
予定。


小山右人個展
2013年4月10日(水)~20日(土)日曜休み
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
電話 03-3567-7577

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「ようこそ、いらっしゃいませ!」

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安らぎの風

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 花の咲き乱れる季節になりました。往診で巡る街の家々の前にもたくさんの花が咲いています。慌ただしい仕事の合間にいっとき目を楽しませてくれます。
 同行する新入りの若い看護士の声も心なしか華やいで聞こえます。「暑くも寒くもなくちょうどよい季節」という挨拶が頻繁に交わされる清々しい一日でした。
 ここのところ健康維持にヨガを始めて、自分の体内に広がる宇宙に耳を傾ける感覚にとても興味を引かれています。病と闘っている人の感覚ともそれはつながり、より深い共感を呼び覚ますようです。皆共に自分の身体の奥の感覚を噛み締め、必死で格闘しているのだと。
 自らとの闘いも、心地よい季節の中に溶け出し、つかの間の安らぎの呼吸を与えてくれる風を感じました

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禁酒・断酒への意外な関心

禁酒・断酒への意外な関心

(禁酒・断酒の参考書籍)

禁酒、断酒の参考書籍

 最近、思い切って晩酌も、宴会での飲酒もいっさい止めることにしました。適度な晩酌は、むしろ長生きをもたらすというのは事実で、よく知られたことです。しかし、この適度が曲者で、美味しいお酒がいつのまにか増えていくのを止められなくなっているな、と日頃気にかけていました。

 ワイングラス一杯が、ボトル半分になり、それも徐々に越えていくという具合に。そうすると、夜中に気分が悪くなって目覚めたり、寝起きに頭が重かったりと、アルコールの悪影響が日常化しつつあるなとも感じていました。いつか止めなければ! その思いは常にあったような気がします。

 今年の八月、ついに決心してぴたりと止めました。一滴も飲まなくなりました。たいして苦にもならなかったので、さほど量が増える手前だったのだと思います。口さびしいときには、野菜ジュースを飲むことにしました。

 私の場合、睡眠も快適になったし、朝型の大事な時間にも頭がすっきりして仕事がはかどるし、身軽になったような気もします。

 次のハードルは宴会でした。集まりや同窓会で、ジュースを飲んでいると、皆、どうしたの? と不審げに訊いてきます。酒を止めたんだというと、体でも壊したのかと訊いてくる人が多かった。昔のワルな連中が、強引に酒を勧めてくるのでは、という場面も想定していました。

 しかし、意外にも、かつての元気一杯のワルたちも、出世していたり、偉い社長になっていたりして、自分の健康管理には人一倍関心が高いのに気づかされました。「よく止められたな」とか、「止めたらどんな気分だ」とか、自らも飲みすぎている不安は常々抱いている様子です。

 同窓会では、一次会から二次会まで、禁酒、減酒の話題がしょっちゅう浮かんできて、日々の生活の中で、漠然と、しかし意外にも常に不安と関心の的になっているのだと驚かされました。

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心の池に泳ぐ鯉ーー緋鯉と幻想絵画

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 きょうは雨、風が強く、静かに池を眺めていた方がよさそうな一日です。

 叔父が手塩にかけて育てた緋鯉たちです。池の中で悠然と泳いでいる姿に心和みます。

 今は澄んだ水の中で泳いでいる鯉ですが、育てる途中で山の泥田の中に住ませないと元気にならないそうです。

 山の泥の中で、たっぷり滋養をもらってきた鯉たちなのですね。

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こんな静かな池の雰囲気と響き合う作品かもしれません。

「星にこだます」(テンペラ混合技法)

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往診で巡る海辺の街 懐かしい街での不思議な体験

 きょうは少し風が強いけれど、日差しは心地よいです。訪れるお宅の朝顔の蔓も、だいぶ伸びてきました。

 次々に花が咲くのが楽しみですね。

 穏やかな日本海の突堤で、魚の姿を捉えようと思いました。すばしっこくて、ほんの少しだけ写っているようです。

 貝殻を拾って、また新たな今日の記念にしました。

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「香しい風」(テンペラ混合技法)

こんな日和に、海風の中に一瞬現れる幻像は、きっとこんな作品に近いかな?

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父の退院を待って咲いたボタン

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大手術から生還した父の帰りを待つように、庭にボタンの花が咲きました。

ちょうど退院の日に合わせるようでした。

緑が濃くなってきて、庭の空気が心地いいです。

クマンバチの姿も見かけました。蝉が鳴き始めるのもまもなくですね。

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「夢幻」(テンペラ混合技法)

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ETAホフマン「砂男」

 ホフマンのことを一言書いたら、検索で訪れて下さる人が多いのに、少し驚いています。やはり根強い人気があるのですね。

 ぼくも、とくに「砂男」は、思い出したように時々読む短編です。一見荒唐無稽のようでありながら、砂男というひとつの不気味な人間のイメージが、自在に変形しながら、人の自我の間を飛び歩き、小説世界のリアリティーをかろうじて保っている絶妙さに惹かれるせいではないかと思っています。

 フロイトの「不気味なるもの」という分析で取り上げられたのでも有名な小説ですが、おそらく自分の中でもいつのまにか抑圧されていた、子供のころ、季節風の吹き叫ぶ中で恐怖の話しを聞かされた昔の自分に出会わされるスリリングな体験をそのたび味わっているのかもしれません。

テンペラ技法による幻想画の作品http://homepage2.nifty.com/yujin-koyama/index.html

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