幻想小説「グラディーヴァ」(W・イェンゼン 種村季弘訳 作品社)の面影を求めてーー古代ローマ帝国の遺産・栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ展
幻想小説「グラディーヴァ」(W・イェンゼン 種村季弘訳 作品社)の面影を求めてーー古代ローマ帝国の遺産・栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ展(国立西洋美術館 上野)
ここ一ヶ月あまり、ブログを更新せず失礼いたしました。お問い合わせや、励ましのご連絡をいただきまして誠にありがとうございました。少々長めの原稿にかかっていまして、更新が遅くなってしまいました。熱いご期待をいただいておりますことに、この場を借りまして御礼とお詫びを申し上げたいと存じます。
さて、そんな訳で、是非見たいと思っていた展覧会も、最終日に駆け込むこととなりました。
私の偏愛する、ポンペイを舞台にした幻想小説「グラディーヴァ」の面影を、垣間見たいと思っていました。日曜日ということもあって、会場はとても混雑していました。
火山灰に埋もれた街から出土したフレスコ画や、宝飾品などは、とても二千年近くも前のものとは思われない鮮やかさを保っています。とくに現代の製品にもひけを取らない精密な日用品などは、当時の人の息遣いをふと甦らせます。
小説の中の若く想像力に富んだ考古学者、ノルベルト・ハーノルトが、冥府の花アスフォデロスをそっと手渡した、サンダーレをはいた足でこれ以上はない美しい歩みをする美女の影は、果たしてこれらの物に触発されて現れたのではないでしょうか? 発掘されたポンペイの目抜き通りの写真があり、その石畳の上に、幻想小説の一場面を思い描いてしまいました。
美しくたおやかなヴェスヴィオ山が、ある日突如噴火して人々の生活を封じ込めてしまった悲劇の物語と、そこから発掘されるタイムスリップした生活跡の驚きが、心の奥から夢が発掘され、甦ってくるような名作を生んだのではないでしょうか。
改めて小説の場面をいちいち思い浮かべながら展覧会と重ね合わせてみる楽しみの時間を過ごしました
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