谷川水系の、生と死の境をふと感じさせる眺めーー谷川水系に魅せられた画家・犬塚勉(いぬづか つとむ)
谷川水系の、生と死の境をふと感じさせる眺めーー谷川水系に魅せられた画家・犬塚勉(いぬづか つとむ)
何年かに一度、谷川水系を歩きに出掛けます。
登山と観光の季節をはずれると、ここにはほとんど人影もありません。そして、険しい自然が、そのままむき出しになっています。
それだけに、都会ではまず味わえない新鮮な自然の表情とここでは出会えます。東京からもさほど遠くなく、深いところで人を魅了し続けている所以だと思います。
天神平へ向かうロープウェイからも、山肌が深くえぐられ樹木がなぎ倒された雪渓を望むことが出来ます。高原の霧は肌に沁み、さわやかです。
麓の殺伐とした渓流沿いには、吸い込まれそうな滝が姿を現し、淵に立つと足がすくんで、まさに滝壺に飲まれそうな眩みを覚えます。
土樽の駅には、地下ホームへ通じる数百段の階段トンネルがあり、夏でも冷たい霧に充たされています。無人のホームに、深い霧の中から列車が現れる光景は、幻想的以外のなにものでもありません。
こんな風景に、画家が魅せられないはずもありません。自然の奥深くに潜む魂まで感じ取って、植物や岩の細部まで描き続けた犬塚勉が、谷川水系の魅力に惹かれるあまり命まで失う危険を冒した気持ちも、十分に了解できます
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濃い樹液の匂い







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