ある医師の趣味「蝶の採集」(Astellas Square 2008 8-9月号より)

 きょう仕事の合間に読んだエッセイに、印象に残るものがありました。製薬会社の雑誌に掲載されたある医師の「蝶の採集」の趣味についてのものでした。そこに、著者の、表向き趣味とは言わざるを得ないものの、深い夢の真摯な追求を感じたのに打たれました。

 著者の仕事上での激しい消耗は想像に難くありませんが、その一方で、自分に立ち返ったときの心の内に広く大きく広がる蝶に賭ける夢が、読者のこちら側にも伝わってくるようでした。著者は稀少の蝶を追い求め、それを採集することに、地球規模の地理、気象、生態系などの自然科学、博物学のあらゆる科学的な知識を動員しなければならないことを説きます。

 さらには、蝶を発見した瞬間に識別する視力や捕える動態視力、反射神経と、人間的なあらゆる能力も動員されなければ、憧れの蝶には到達できないということも。著者は、憧れの蝶を求め、インド、チベット、シベリア等、世界中へ出掛けるそうです。

 少年の夢が大きく膨らんで、大人の夢のすべてを賭ける人間の理想にまで発展しているのを感じずにはいられませんでした。私も、中学生のころまでは昆虫少年で、一時蝶を追って夢中になっていてことがありました。それで、共感も、ひとしおでした。

 地球規模とまではとてもいきませんでしたが、ミヤマカラスアゲハの不思議な鱗粉の輝きに惹かれ、生息地を懸命に探したり、捕虫網の動かし方を、何度も練習したりしました。また、捕り逃がした蝶も、必ず縄張りの同じ場所に戻ってくる習性を知って、真夏の木陰で何時間もじっと待っていたことも思い出しました。

 今夜はしばし蝶の夢に浸れそうです

Photo 「夢駆ける」(テンペラ混合技法 キャンバスF0号)

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ダニエル・オスト(Daniel Ost)氏の東寺での花の展示に恋焦がれて

 小説の原稿を、渋谷の郵便局で出版社に速達書留で送り終えて、宮益坂を登りきり、なぜか必ず立ち寄る青山のフローリストの店がある。季節ごとの店頭のフラワーアレンジメントの妙に、原稿を書き終えた解放感が報われる。

 たしか、夏の終わりのほおずきの鮮やかな色彩のアレンジメントは印象的だった。そして、決まって店の奥にある椰子や南国の植物が豊富な店内をいっとき歩き回るのが楽しみになっている。

 最近、その店頭に、世界的なフラワーアレンジメントの専門家、ダニエル・オスト氏の京都、東寺での花の展示の案内があり、チャンスがあれば、是非行ってみたいと思っていた。

 なにせ、「弘法大師・空海が帰朝してから1200年。記念となる今年の秋、世界各地の歴史的建築を舞台に美しい花の造形を創り続けてきたベルギー王室御用達のフラワーアーティスト、ダニエル・オストが弘法大師の聖地として知られ、真言密教の総本山である世界文化遺産・東寺において、かつてない花の芸術に挑みます」とパンフレットにはある。しかし、残念ながら、展示の期間は明日、十一月二十四日までで、チャンスを逸してしまいそうだ。

 どなたか、行かれた方から感想でも伺えれば、どれほど幸いなことか。弘法大師、世界遺産、ベルギー王室御用達のフラワーアレンジメントとやらが、いったいどんな結びつきを見せるのだろうか?

Photo 「花朧」(テンペラ混合技法)

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招き猫と競う、うちのネコーー猫と幻想画ーTV5を見る猫

うちの猫、ニャージュは、招き猫を意識しているようです。いつのまにか、居場所を見つけました。自分こそ幸を招くと競い合っているわけでもないでしょうが、そっくりだと思っているのでしょうか? 私の絵にもよく登場する猫です。よろしく

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フランス語の音感が好きなのか、TV5の番組には熱心に見入ります

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翼のない天使

 ナイト・シャマランの「翼のない天使」をヴィデオで見ました。神様を探す少年に託された、見えない世界、彼岸の世界への一貫したシャマランの探求を深く感じさせる作品でした。最も厳格なアメリカのキリスト教学校の中で、神様をあまりにも真摯に探す余り、東洋的な神秘の世界にも触れ、少年の周りで文化的な衝突が展開されるのは、現代の世界の人々が直面している問題を象徴しているようで興味深い場面でした。インド系のシャマランが、アメリカ社会の中で、先鋭に浮かび上がる思いを体現した作品と感じました。

 「シックスセンス」「ヴィレッジ」にも貫かれた主題を深く感じました。

幻想画家ユージンhttp://homepage2.nifty.com/yujin-koyama/index.html

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