物語があふれるから描き出す、物語が面白いからまた描く

「物語があふれるから描き出す、物語が面白いからまた描く」Photo

 何か仰々しいタイトルですが、今、中心作をこんな感じで描いています。物語が物語を呼んで、引き込まれて描いています。季節も桜満開のころとなり、粉絵の具にとっては大敵のエアコンも不要の時期とあって、作業もはかどります。物語の全容はまだ画面には読み取れませんが、今年の十一月の個展のときにはお見せしたいと存じます。その時に胸躍らせ、またプレッシャーにも感じつつ描いています。どうぞお楽しみに!

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伝説の書家、三輪田米山とエドガー・アラン・ポーEdgar・Allan・Poeの天才に開ける独特の世界

 最近の三月八日(日)、NHKの新日曜美術館で、伝説の書家、三輪田米山の特集をやっていたのが印象的でした。書の世界に造詣が深いわけではありませんが、この伝説の人の人物像に、強く関心を引かれるものがありました。

 伊予の国の神官でもある書家は、夕刻から酒を煽り、境地に入り込んだところで書をしたためます。もちろん酩酊ですから、書き間違うこともある。しかし、そういう問題ではなくて、入り込んだ境地からあふれ出す精神の奔放さというか、解き放たれた天上世界が、そのまま紙面にしたためられます。その文字には、大量の酒によって微小にまで麻痺させられた気負いと理性から解放された最大限の自由が感じられます。そのエネルギーの大きさが、百年の歳月を経て人を魅了し続けているのが伝わってきます。解説者の壇ふみさんも、そのことに驚いていた様子です。 

 二升も三升も入る瓢箪を抱え、書家は乞われるままに民家を訪ね、書をしたため歩いたようです。それが、掛け軸となり、幟となり、現代に受け継がれています。

 この番組を見て、私が強く連想したのは、エドガー・アラン・ポーEdgar・Allan・Poeのことでした。わずか四十歳で、深いアルコールの酩酊によって命を落としたこの天才作家・詩人にも、共通する境地が存在することを想起せずにはいられませんでした。--もちろん、単純にアルコールや薬物の中毒などとは片付けられない、創造の天才が追及した境地の深みがそこに感じられます。自らを追い詰め、身を削り、創造の「神様が降りてくる」に至るには、アルコールの酩酊が大きな触媒の作用を担っていたことが察せられます。

 Poeの作品の中でも特に好きで、繰り返し耽読した「リジーア」Ligeiaの中には、そんな境地の雰囲気を濃く感じます。病み衰えていく愛妻の鬼気迫る描写もさることながら、その妻の死後、美女再生に至る新妻と暮らす神殿風の家屋の豪奢な暗がりの中に、存分にその怪しい空気が充ち充ちてはいないでしょうか。

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「夢想」Yujin Koyama

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連休はありがたいーー絵画技法の奥義は下地作りにあり

 さっさと引退してセカンドライフといきたいところですが、なかなかそうもいかないので、連休はありがたいです。

 午前中は、少しずつ書き続けている短編小説の校正をして、午後は絵のキャンバスの下地作りをしました。

 画廊のご主人からも、ここまでの作品にゴーサインをいただいて、後半戦のイメージを膨らませるところまで来ました。これからは、遊び心を存分に楽しめる段階です。

 私の絵は、下地がかなり重要な部分を占めているので、何度も塗り重ねたり、削ったりしてゆきます。完成作品の脇に新しいキャンバスを並べ、次はどんなイメージが中から湧いてくるのか楽しみです。下地の暗示に逆らわずに描いていくのも、私のやり方です。

 絵の具が乾くのを待ちながら、今日、何度もじっと見ていたのは、サンドロ・ボッティチェルリの「ヴィーナスの誕生」でした。この有名な作品は、たしかに豊かなイメージに溢れています。女神誕生の何やら華やぎの胸騒ぎに止まらず、ヴィーナスと海のエロスの豊饒にも充ちみちています。

 海面の波の表現や、息を吹き込む神の使いらしい人のさりげない表現も、とても高度なイメージの豊かさです。私は、ほんの少しだけ貝のコレクションにも凝っていますので、帆立貝の上に立つヴィーナスの姿が、いっそう愛着を帯びて神々しく見えたのも、そのせいかもしれません。

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ウィリアム・ブレイク(William Blake)へのオマージュ・・・神秘の水彩画、版画。祈りと人間の物語の詩

 ウィリアム・ブレイクの詩の朗読始まる静かな日曜日となりました。慌しい日常とかけ離れた時間の流れの中に引き込まれます。

ウィリアム・ブレイクの参考書籍

 今朝は、「無垢の及び経験の歌」(梅津載濟美 訳 ブレイク全著作 名古屋大学出版会)を読みました。

 どの美術館の展覧会だったか忘れましたが、「あわれみ」の水彩画は印象的で、いつも身近に置いています。紺の背景の深さ、天使の手に抱かれたキューピットの愛らしさ、流れるような衣に解け込んだ白馬、哀しげに横たわり祈りを捧げる少女・・・

 この絵の神秘も、心の底に流れ続けています

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絵が持つ出会いの力と親和力ー花の園、楽園の絵画

Rimg2362  この前の展覧会の飲み会でも話題になりましたけれど、絵を通じての出会いの機会が多いようです。

 絵には、その人の生き様とか心が素直に表れるからでしょうか。振り返ってみると、絵をきっかけに出来た親密な友人が多くいます。ぼくの大切な友人は、ほとんど何らかの関係で、絵と関わっているといっても過言ではないようです。

 そればかりでなく、ぼくの個展の画廊で偶然出会って、すんなり結婚してしまった人もいます。それもやはり、絵が発揮する親和力でしょうか。

 桜の園でめでたく式を挙げているカップルを見て、ふとそんなことを思いました。

どうぞお幸せに!

Photo 「歓喜」(テンペラ混合技法 キャンバスF0号)

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Exposition de peinture de de'trempe YUJIN KOYAMA 柔らかなテンペラ画の世界

テンペラ絵画個展 

新しいカメラで、個展に出品した作品の中央部分を撮ってみました。RIMG0041 柔らかなテンペラ画のディテールも鑑賞いただけると思います。RIMG0051 両脇の天使のような女性が捧げ持つ壷から光や蝶や花弁が溢れ、渦巻きながら豊饒の池と大地に吸い込まれていく部分に特に手数を要しました。黄金の光の渦の中に点描的な手法でアクセントを入れていくところが微妙でもあり日々深みが増していく楽しい部分でもありました。

 光の渦の周りには、亜熱帯の植物園で一瞬過った夢のような陶酔の中に浮かんだ幻の情景を浮遊させました。RIMG0045 圧倒的な生命力を感じさせる植物の繁茂と咲き乱れる花々の鮮やかさがなんともいえません。そんな楽園の中で、好きな動物たちと戯れる夢が好きです。濃いブルーの背景に、淡い星影が浮かぶ情景に、むしろ北方的な作品だと、個展の会期中におっしゃった方が何人かいらっしゃったのは意外でした。

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以前のカメラに比べて、細部がより明瞭にご覧にいただけますでしょうか?

「アジアの土から生まれた女神と命の物語」

個展全体の様子はホームページをご覧くださいhttp://homepage2.nifty.com/yujin-koyama/index.html

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